一般社団法人 日本肝臓学会

肝臓専門医試験委員会

はじめに

肝臓専門医試験委員会 委員長 吉治 仁志

肝臓専門医の使命として、①肝疾患全般の病態を理解し、的確な診断の下に患者さんごとに最適で最新な医療を提供し、肝発癌や肝疾患の進展を抑制すること、②肝炎対策基本法に沿った医療費助成制度などの施行に直接的にたずさわること、③国民への肝臓病の啓発活動を主体的に行い、潜在的な肝疾患患者さんのほり起こしと治療への勧奨を行うこと、④生活習慣関連肝疾患の増加に応じて、他の診療領域とも連携して新たな診療体系を構築すること、などが挙げられます。

このような理念をもとに、肝臓専門医試験委員会では、専門知識と診断・治療能力と兼ね備えた肝臓専門医を選定するための活動を行っています。

肝臓専門医は日本専門医機構においてサブスペシャルティ学会に正式認定されています。日本専門医機構細則において「サブスペシャルティ領域取得は原則上限2領域とする」とされていますが、日本専門医機構 第4期第24回理事会(2022年5月20日開催)において「補完研修方式を採用する領域については特例として上限の原則を適応しない」ことが諮られ、承認されました。即ち、消化器領域においては消化器専門医・肝臓専門医・消化器内視鏡専門医についてすべて取得可能となっています。
肝臓専門医は、肝炎対策基本法の各地域における指導的立場における診療など、これからも疾病構造の変化や時代のニーズに沿った研修プログラム、カリキュラムを策定し、豊富な知識と経験をもとに肝臓病の診断と治療を通して国民の健康に貢献する肝臓専門医を育成・認定していく所存です。

皆さまのご理解とご支援をお願い申し上げます。

肝臓専門医試験委員

役員名 氏名
委員長
  • 吉治 仁志
委員
  • 惠谷 ゆり
  • 海道 利実
  • 玄田 拓哉
  • 近藤礼一郎
  • 下田 慎治
  • 豊田 秀徳
  • 長沖 祐子
  • 疋田 隼人
  • 平岡  淳
  • 吉田  寛

活動内容

  • 肝臓専門医として必要な専門知識、臨床経験が備わっているかを評価する目的で、肝臓専門医認定試験問題を作成しています。中でも、肝臓や肝疾患に関する専門的な知識のみならず、肝臓専門医として適切な判断と治療が行えるかを評価できる試験問題を作成することを目標とします。また国の施策の一端を担うことから、法律や助成制度についての知識と理解を問う問題の選定も目指しています。
  • 肝臓専門医認定試験の運営と監督を行います。その後、試験の採点と結果の評価を行い、最終的に試験合格候補者名を肝臓専門医制度審議会に上申しています。
  • 肝臓専門医認定試験問題の解説依頼と機関誌『肝臓』への掲載計画、ならびに試験問題集の発刊の企画も本委員会の活動です。

委員会活動

  • 委員会を毎年3~4回開催し、肝臓専門医認定試験問題作成者(非公開)が作成した問題の中から、候補問題を慎重に選出し内容をbrush up の上、肝臓専門医認定試験問題として確定しています。
  • 毎年11月に開催される肝臓専門医認定試験では、中心的に運営監督を行い、その後、採点も担当し試験結果を総括して、最終的に試験合格候補者名を肝臓専門医制度審議会に上申します。
  • 過去の試験問題の中から出題にふさわしい問題を選出し、問題作成者に解説を依頼すると共に、機関誌『肝臓』への掲載計画を作成します。また2~3年に1度のペースで、機関誌『肝臓』に掲載された解説文を集計した肝臓専門医認定試験問題集の発刊についても企画します。