一般社団法人 日本肝臓学会

肝臓リハビリテーション指針

肝臓リハビリテーション指針の公開について

このたび、竹原徹郎理事長の指導の下、日本肝臓学会の社会保険委員会内に2022年10月に肝臓リハビリテーションワーキンググループを結成し、最初の取り組みとして、“肝臓リハビリテーション”の指針を作成しました。

“肝臓リハビリテーション”は“肝臓疾患に基づく身体的・精神的影響を軽減させ、症状を調整し、生命予後を改善し、心理社会的ならびに職業的な状況を改善することを目的として、運動療法、栄養療法、薬物療法、教育、精神・心理的サポート等を行う、長期にわたる包括的なプログラム”です。脂肪性肝疾患、肝硬変症患者および肝癌患者の肝機能を改善、患者さんの予後と生活の質(QOL)の改善を目指すためには、サルコペニアの改善をめざした肝臓リハビリテーションの適切な実施が必要不可欠です。

特に進行した肝疾患患者では、腹水、静脈瘤、脳症等の合併症に注意し、“肝臓リハビリテーション”を実施する必要があります。

肝臓専門医の指導の下、肝疾患患者のサルコペニアを評価し、それぞれの運動の種類、強度については理学療法士に、これから取り組む食事については管理栄養士に相談して、さらに多職種が連携して、医療施設における肝臓リハビリテーションの導入と、在宅での管理指導を継続することが重要です。医療の質の担保および多職種の円滑な連携のためには、多職種の相互理解と技術の向上および、肝疾患についての専門知識の修得が必要です。今後はそのための制度の準備等も行う予定です。

会員の皆様には、本指針をご覧頂き、肝臓リハビリテーションの普及、啓発に是非ともお力添え頂きますようお願い申し上げます。

2023年4月

社会保険委員会
肝臓リハビリテーションワーキンググループ
委員長  寺井 崇二

社会保険委員会肝臓リハビリテーションワーキンググループ 委員

  • 寺井 崇二
  • 日浅 陽一
  • 芥田 憲夫
  • 石川  達
  • 江口有一郎
  • 大久保裕直
  • 上村 博輝
  • 川口  巧
  • 川中 美和
  • 神田 達郎
  • 是永 匡紹
  • 阪森亮太郎
  • 清水 雅仁
  • 角田 圭雄
  • 建石 良介
  • 田中  篤
  • 田中 直樹
  • 田中 康雄
  • 田畑 優貴
  • 中井 正人
  • 浪崎  正
  • 西村 貴士
  • 平岡  淳
  • 松居 剛志
  • 森  奈美
  • 守屋 昭男

肝臓リハビリテーション指針

  1. 肝臓リハビリテーションとは?誰を対象とすべきか?
  2. 肝臓リハをどのように行うべきか?~疾患に応じた介入~
  3. 脂肪性肝疾患患者に対する肝臓リハは?
  4. 肝硬変患者に対する肝臓リハは?
  5. 合併症を有する肝硬変患者に対する運動療法は?
  6. 肝癌患者に対する肝臓リハは?
  7. 肝臓リハの経済的効果は?
  8. 肝疾患における運動リハビリテーションのすすめ