一般社団法人 日本肝臓学会

肝予備能評価スコア計算サイト(mALBIグレード追加)のご案内

この度、慢性肝疾患患者様の適切な病態管理による長期予後の向上にお役立ていただきたく、肝予備能を評価できる「肝予備能評価スコア計算サイト」を日本肝臓学会ホームページの肝臓学会関連の診療情報に掲載させて頂きました。

本サイトでは、Child-Pugh分類、MELDスコア、MELD Naスコア、PELDスコア、ALBIスコアの計算ができるスコアリングシステムを掲載しています。

  • Child-Pugh分類は、血液生化学的検査データ(Bil、Alb、INR)と肝性脳症・腹水の有無を用いたスコアリングシステムであり、肝硬変および肝予備能の診断に用いられます。1)
  • MELDスコアは、血液生化学的検査データ(T-Bil、INR、Cr)と透析治療の有無を用いたスコアリングシステムであり、12歳以上の肝硬変および肝移植登録者における肝予備能の診断に用いられます。2)
  • MELD Naスコアは、従来のMELDスコア同様の血液生化学的検査データ(T-Bil、INR、Cr)にNaを追加したスコアリングシステムであり、12歳以上の急性肝炎・肝硬変および肝移植登録者における肝予備能の診断に用いられます。3)
  • PELDスコアは、血液生化学的検査データ(Bil、INR、Alb)と年齢、成長度を用いたスコアリングシステムであり、12歳未満の肝硬変および肝移植登録者における肝予備能の診断に用いられます。4)
  • ALBIスコアは、血液生化学的検査データ(T-Bil、Alb)を用いたスコアリングシステムであり、肝細胞癌の治療法を選択する際に用いられます。通常スコアはALBIグレードとよばれる3つのグレード(1,2,3)に分類されますが、当ツールでは4つのグレード(1,2a,2b,3)に細分化することで、より優れた評価能力が期待できるmodified ALBI(mALBI)グレードを採用しています。5),6)

慢性肝疾患患者様の治療目標は、肝硬変や肝臓癌などへの進行を抑止することや、患者様の生命予後やQOLを改善することです。そのためには適切な肝予備能の評価に基づいた治療法の選択が重要です。

(引用文献)
  1. 1)Child-Pugh分類別・肝硬変患者の生命予後の検討
    厚生労働科学研究費補助金(障害者対策総合研究事業)分担研究報告書 肝硬変患者の生命予後の検討研究分担者 八橋 弘 独立行政法人国立病院機構長崎医療センター・臨床研究センター長
  2. 2)肝移植におけるMELDスコアを用いた医学的緊急度のランクアップ
    市田 隆文,他:肝臓 2015; 56(3): 79-87.
  3. 3)MELD Naスコアを用いた末期肝疾患患者の死亡率の予測
    Kim HJ and Lee HW: Clin Mol Hepatol 2013; 19:105-115.
  4. 4)PELDスコアを用いた小児肝移植待機患者の評価
    Mc Diarmid SV,et al: Liver Transpl. 2004 Oct; 10(10 Suppl 2):S23-30.
  5. 5)肝癌におけるALBIスコアを用いた予後予測
    平岡 淳:肝臓 2016; 57(7): 312-319.
  6. 6)Validation of Modified ALBI Grade for More Detailed Assessment of Hepatic Function in Hepatocellular Carcinoma Patients: A Multicenter Analysis
    Hiraoka A et al.: Liver Cancer 2019; 8(2): 121.
  • ※この計算サイトは、医療従事者向けに作成したものです。