「輸血用血液のHEVスクリーニングについて」(周知依頼)
- 2020/07/22
- 周知・協力依頼
日本赤十字社様より、「輸血用血液のHEVスクリーニング」について下記の通り周知依頼がございましたのでお知らせいたします。
このたび日本赤十字社では、輸血用血液製剤の安全性向上のため、新たにE型肝炎ウイルス(HEV)の核酸増幅検査(Nucleic Acid Amplification Test, NAT)を実施することとしましたのでお知らせいたします。
- 導入の経緯
日本赤十字社では、輸血用血液製剤の感染症対策として、全ての献血血液に対し、HBV・HCV・HIVについて血清学的検査とNATを実施しております。1999年10月にプール検体によるNATスクリーニングを導入し、2014年8月からは個別検体によるNAT(個別NAT)スクリーニングを実施しております。
HEVについては、浸淫度が高い北海道で輸血感染症例が連続して発生したことから、2006年3月より北海道において試行的にHEV NATを実施し、HEV陽性血を排除するとともに、献血者におけるHEVの感染状況、病態、臨床経過等の調査を実施してきました。その後、北海道以外の地域でも輸血によるHEV感染が確認され、また重症例や慢性化例も報告されるようになりました。これらの状況を踏まえ、日本赤十字社において検討を進めた結果、今般、全ての献血血液に対しHEVの個別NATスクリーニングを導入することとしました。 - 導入時期
2020年8月5日採血分より実施します。 - 検査方法及び特性
HEVの個別NATスクリーニングは、マルチプレックスNATシステムを用い、HBV、HCV、HIVと同時にHEVを検出します。- 分析感度:4.8 IU/mL
- 特異性:ヒトに感染する主要な遺伝子型(1,2,3,4型)の検出が可能
- 事前調査による陽性率:0.18%(東京都・千葉県の献血検体 15,213本)
- 献血者への通知
個別NATスクリーニングにてHEV陽性となった献血者には、「検査結果のお知らせ」を送付し、6か月間献血を延期するよう依頼しております。通知文には、下記のような説明を加えております。
「大部分の方は自覚症状が出ないまま自然に治ってしまいますので過度のご心配は不要です。ただし一部の方では肝炎を発症することがありますので、体調がすぐれない場合は肝臓専門医のいる医療機関を受診することをお勧めいたします。」
また献血者の理解の一助とするために、E型肝炎について概要を記した「E型肝炎・E型肝炎ウイルスについて」のリーフレットを同封しております。
なお、E型肝炎は四類感染症に分類されておりますので、確定診断がついた際には、保健所への届け出が義務付けられていることを付記させていただきます。
本件に関する問合せ先:日本赤十字社 血液事業本部 技術部 検査管理課
〒105-0011 東京都港区芝公園1-2-1
TEL:03-3433-5316 FAX:03-3437-7744
