一般社団法人 日本肝臓学会

術前検査

ドナー肝切除において耐術可能であるか評価するため精査が行われます。検査項目については、各施設によって詳細は異なりますが、おおむね以下の検査が行われますが移植実施施設において説明をした上で検査を実施しますので、紹介元での検査は通常不要です。

  • 身長、体重測定。全身理学的所見。
  • 生理機能検査:心電図、呼吸機能検査
  • 血液検査:血液型(ABO型、Rh型)、血算、生化学検査、凝固機能検査、腫瘍マーカー、感染症抗体(HBV、HCV、HIV、HTLVなど手術に必要な感染症精査)、HLA(ヒト白血球抗原)、免疫学的検査(クロスマッチテスト)、動脈血液ガス測定。
  • 画像検査:胸腹部X線写真撮影、腹部超音波検査(特に脂肪肝の有無についてスクリーニング)、胸腹部CT検査(腹部は造影CT検査を必須とし、肝血管構造の描出・肝容積測定を行う)、腹部MRI検査(MRCPにより肝内外胆管を描出、脂肪肝定量的測定)、頭部MRI検査(血管異常、頭蓋内病変の精査)、心臓超音波検査
  • 上部消化管内視鏡検査
  • 便潜血検査・必要に応じて下部消化管内視鏡検査
  • 精神科受診により、臓器移植医療についての理解、臓器提供についての意思確認、精神的疾患の有無について確認します。

上記にて異常所見を認めた場合には当該施設専門診療科を受診し、さらに詳細な検査を施行します。